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ひこにゃん事件の概要をまとめ!調停に発展も…一体何があった?

ひこにゃん事件の概要をまとめ!調停に発展も…一体何があった?

滋賀県のマスコットキャラクターであるひこにゃんですが、可愛らしくてご当地キャラクターの中でも人気のキャラクターですよね。そんなひこにゃんには、調停に発展した「ひこにゃん事件」という事件がありました。一体何があったのか、気になりますよね。そこで今回は、ひこにゃん事件の概要をまとめ!調停に発展も…一体何があった?ということについてご紹介します。

ひこにゃんのプロフィール

まずは、ひこにゃんのプロフィールをご紹介します。

  • 名前:ひこにゃん
  • 誕生日:2006年4月13日
  • 性別:特に決まっていない
  • 趣味:彦根城周辺や彦根市内をお散歩すること
  • 好きな食べ物:魚、やわらかいお肉

ひこにゃんは、2007年に築城400年を迎えた彦根城の記念イベント「国宝・彦根城築城400年祭」のイメージキャラクターとして初めて登場しました。モデルは、彦根藩の井伊直孝にゆかりある1匹の白猫です。身体的な特徴として、足が短いので階段昇降が苦手だそうです。可愛らしいですよね!ひこにゃんは、彦根市にとどまらず全国的に大人気で、正月には全国のファンから年賀状が届き、バレンタインデーにも全国のファンからチョコレート等が届くそうです。

ひこにゃん事件とは

ひこにゃん事件とは、ひこにゃんの作者と彦根市の間で起きた著作権をめぐる事件です。このひこにゃん事件を、順を追って概要をご紹介します。

①    作者から市へ民事調停の申し立て

2007年11月に、ひこにゃんの作者が、彦根市と400年祭実行委員会に対して、キャラクターの使用中止を求める民事調停を申し立てるという事件がありました。

ひこにゃんの著作権は、400年祭実行委員会が作者から買い取り、その後、彦根市が商標登録していたのですが、作者が許可していた3ポーズのイラスト以外のポーズでキャラクター商品が発売されました。また、ひこにゃんがお肉が好物であるという設定は、作者の意図していないところでもあったので、その点にも異議を唱えたそうです。

この件は、2007年12月に、彦根簡裁において民事調停が成立し、ひこにゃんの3ポーズ(座る、跳ねる、刀を抜く)の著作権を実行委員会が買い取り、市が商標登録し、彦根市のキャラクターとしてひこにゃんの使用を続行することが決まりました。この3ポーズのイラストのみ業者に使用を許可できるとすることで両者が合意します。この調停により、作者はひこにゃんを絵本に限り創作活動を認められることになりました。

②    市から作者に民事調停の申し立て

ひこにゃん事件は、上記の合意ではとどまりませんでした。その後、ひこにゃんの作者が、ひこにゃんとよく似た「ひこねのよいにゃんこ」というキャラクターを作り、絵本以外の様々なグッズを販売しました。これに対して2009年に彦根市は、著作権や商標権を侵害しているとして市内の業者にグッズの販売中止を求めました。

最終的には、

  • 類似キャラクターグッズの製造・販売の禁止
  • グッズを製造・販売した4業者が解決金370万円を彦根市に支払う
  • 彦根市がひこにゃんの絵本やアニメをつくるときは作者の同意を得る

などを条件として和解に至りました。

ひこにゃん事件のその後

2013年3月、これまで使用を許可して来たイラスト3ポーズに加えて、着ぐるみの1ポーズについても使用できるようになりました。さらに、2016年に市と作者の間で新たな覚書が締結され、「市からの要請を受けて原作者側が新たなイラストを制作すること」と「そのイラストの著作権も市が買い取り、原作者側は著作者人格権を行使しないこと」が合意されたました。この合意により、基本的にポーズの制約がなくなり、動画の制作などができるようになっています。

2021年6月、同年4月に就任したばかりの和田裕行彦根市長と作者が面会し、改めて謝罪がなされ、両者は未来志向での協力を合意したそうです。そして翌月には、市長・作者・ひこにゃんによってPR推進を広報する共同記者会見が開かれました。会見では 「ひこにゃんのブランド推進に努め、魅力をたくさんの方に知っていただけるよう全力でサポートする」と記された協定書に三者がサインしました。ひこにゃん事件は無事解決したようですね。

まとめ

今回は、ひこにゃん事件の概要をまとめ!調停に発展も…一体何があった?ということについてご紹介しました。作者と市の間で考え方の違いがあり、かなり複雑な問題となってしまったようです。著作権の問題は難しいですね。とりあえず、ひこにゃん事件は解決したようなので、今後も引き続きひこにゃんの活躍に期待したいと思います。