この記事では、子どもに乳児湿疹が出たときの病院に行く目安や、受診する科についてくわしく解説します。乳児湿疹はよくある発疹の1つで、生まれたての子どもの弱い皮膚にはみられがちな症状です。しかし、見た目が痛々しかったり、痒そうだったりすると、余計に心配になってしまいますよね。「痕が残ったらどうしよう」「泣いているのは乳児湿疹のせい?」と考えて不安になる親御さんもいると思います。この記事で、乳児湿疹の病院に行く目安や予防法についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
乳児湿疹とは?
乳児湿疹とは、生後すぐから1歳頃までに見られる赤ちゃん特有の肌トラブルです。皮脂の分泌やホルモンバランスの影響で、顔や頭、体にブツブツやかゆみが出ることがあります。主な原因は「皮脂のつまり」「乾燥」「刺激」などで、清潔を保つことで自然に治ることも多くあります。ただし、かき壊して皮膚が柔らかくなってきたら、注意が必要なトラブルでもあります。
参考:田辺三菱製薬
乳児湿疹で病院に行く目安は?
乳児湿疹で病院に行く目安を見てみましょう。ここでは、3つの状態をご紹介し、それぞれなぜ病院に行く必要があるのか、症状の重さはどれくらいなのか、わかりやすく解説します。場合によっては、ただの発疹ではなく感染症である可能性もありますので、心配な場合は当てはまっていなくても病院を受診すると良いでしょう。自己判断で市販薬を使うと、悪化することもあります。2~3日で改善しないときは、早めに受診してくださいね。
赤く腫れているとき
乳児湿疹が赤く腫れている場合は、皮膚の炎症が強くなっていることを示しています。赤ちゃんが自分でこすってしまったり、よだれや汗からの刺激で、悪化していたりすることも考えられます。炎症部分が熱くなっているときは、細菌が入り込んで「とびひ」を起こしている可能性も。赤みが広がったり、触ると痛がったりする場合は、抗生剤を使った治療が必要になるかもしれません。さらなる悪化を防ぐためにも、早めに受診しましょう。
黄色いかさぶたがあるとき
黄色いかさぶたや、ジュクジュクと柔らかくなった部分がある場合、細菌感染を起こしている可能性があります。これは、乳児湿疹をかきむしったりこすったりしたことで、皮膚に傷がつき、そこから細菌が入って、とびひになるケースが多いようです。生後間もない赤ちゃんは皮脂の分泌が多いため、脂漏性皮膚炎によって、かさぶた状のフケが出ることもあります。この場合も、医師の診察を受け適切な薬でケアすることが大切です。
かゆみが強く眠れないとき
乳児湿疹が強いかゆみを伴い、赤ちゃんが夜眠れなかったり、頻繁にこすったりする場合は、アレルギーやアトピー性皮膚炎の可能性があります。肌のバリア機能が低下し、乾燥や刺激に敏感な状態なので、保湿だけでは改善しないこともあるそうです。場合によってはステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬などが処方されるかもしれません。乳児湿疹で眠れないと、赤ちゃんの免疫や発達にも影響します。かゆみが長引く場合は、我慢させずに受診しましょう。
発熱を伴うとき
乳児湿疹とともに、37.5℃以上の発熱が見られる場合は、単なる皮膚炎ではなく、細菌感染やウイルス感染を伴っている可能性があります。皮膚の下まで炎症が進行しているケースもありますので、早めに受診しましょう。発熱とともに機嫌が悪かったり、母乳やミルクを飲む量が減っていたりする場合、免疫反応が起きているかもしれません。突発性発疹でも一時的に湿疹が出ることがあるため、医師の診察を受けて、原因を特定する必要があります。
乳児湿疹の病院は小児科と皮膚科どっち?
赤ちゃんに初めて乳児湿疹が出た場合や、他の体調不良(発熱・機嫌の悪さなど)がある場合には、総合的に診てもらえる「小児科」がおすすめです。赤ちゃん全体の健康状態をチェックしてくれるほか、小児科は子どもの総合医なので、基本的に赤ちゃんにみられるほぼすべての症状を診てくれます。乳児湿疹を繰り返していたり、アトピー性皮膚炎が疑われたりする場合は、より専門的な「皮膚科」が適しています。専門的な薬の処方やスキンケア指導が受けられるため、慢性的な症状の場合には皮膚科を選びましょう。
参考:キッズドクター
乳児湿疹の予防法はある?
それでは、自宅でできる乳児湿疹の予防法について解説します。乳児湿疹は、生まれたてのデリケートな肌には起こりやすいトラブルであり、防ぎきれないこともあります。しかし、自宅で気をつけられることが分かるだけで、症状を抑えたり、皮膚の状態を良くして治りやすくしたりできるかもしれません。赤ちゃんのお世話はたくさんあって大変ですが、もし乳児湿疹でお悩みならば、その予防法もルーティンに組み込んでみてください。
肌を清潔に保つ
乳児湿疹を予防するには、肌を清潔に保つことが大切です。具体的には、毎日ぬるめのお湯(38〜40℃)で短時間入浴したり、低刺激なベビーソープを使って、優しく手のひらで洗ってあげたりすることです。赤ちゃんの皮膚は大人よりも皮脂や汗が多く、毛穴が詰まりやすいため、少しの汚れでも湿疹になりやすいのです。洗うときはこすりすぎず、すすぎ残しがないように気をつけましょう。
保湿する
乳児湿疹の予防には、保湿が効果的です。赤ちゃんのデリケートな肌は、水分が蒸発しやすくすぐにカサカサになってしまいます。乾燥すると刺激に弱くなりやすいので、入浴後5分以内に、全身をたっぷり保湿しましょう。頬や口まわり、関節部分は特に乾燥しやすいので、入念にローションやクリームを塗り込んでくださいね。季節によって、さっぱりしたローションやこっくりしたクリームなどを使い分けるのも、良い方法です。
参考:森のこどもクリニック
まとめ
子どもに乳児湿疹が出たときに、いつ病院に行くべきなのかを解説しました。乳児湿疹には種類があり、それぞれで症状の出方や併発する症状も違います。かゆみ、黄色いかさぶた、液体、そして発熱など、親御さんが心配になってしまう症状が多くありますね。基本的には小児科を受診すれば診察をしてもらえるほか、皮膚科などの専門医にかかる必要があればそのように指示を受けるかもしれません。自分で症状を判断せず、医者の診察を受けるようにしましょう。





